2009年4月22日水曜日

Dior.

クリスチャン・ディオールは、マイナーブランドでピエール・バルマンと二人三脚のいい仕事をした後、独立し業界のリーダーになったが52歳で急死。同時に、当時21歳のイヴ・サンローランが主任デザイナーに抜擢されたのは今は昔。1984年、実業家ベルナール・アルノーがオーナーになって5年後、デザインはジャン・フランコ・フェレに引き継がれるが、実はここからDiorは長い停滞期に入る。1996年、意を決したアルノーが当時、ジバンシーに請われてブランドを継承したばかりのジョン・ガリアーノを引き抜いたことは記憶に新しい。それから13年を閲して、このスカウトの正しかったことを否定する者はいないだろう。
1960年、スペインのジブラルタル生まれのジョン・ガリアーノは6歳でイギリスに渡る。服飾専門学校を主席で卒業、当初から異彩を放っていたらしい。奇を衒うのではなく、ひたすらに優雅であり、女性の美しさを極限までに引き出す。あるテレビ番組のインタヴューで、「女性は素晴らしい。だからもっと素敵にしたい」と語っていた。エロ作家の渡部淳一と同じようなコンセプトで仕事をしてるんだなーと思った。街角のショーケースから垣間見るDiorの空気感は洗練されていて心地よい。センスいいなーと思わせるサムシングを常に醸し出せるのは、間違いなく彼の感性が末端に伝播しているからに違いない。以前、Diorのルージュをプレゼント用に買ったとき、小物なりにデザインの良さが際立っていたもんねー。よきに計らえと丸投げしてるのか、細部にわたって具体的な指示を出してるのかわからないけれど、カッコいいルージュだったよ。同い年なので、有り余る才能に嫉妬してしまうけど、雲の上の人だなー。でも、飲み友達になって欲しいな。夢かぁー。

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