暗いニュースだなあ。件の酩酊会見も作為的に引き起こされた謀略説ってのがあるしー、同情に値するよ。でも、先の衆院選での落選を引きずっての精神的ショックが大きかったんだろう。お悔やみ申し上げます。
ところで、知識として知っておきたいのが、実父、中川一郎氏の自殺である。これは麻生元総理の奥さんの実父、鈴木善幸元総理の退陣後、自民党総裁予備選を戦った中川一郎氏の当時の心の変化を解説しないといけない。総裁予備選に出馬するための当時の条件は推薦人を50人集めることであり、中川派が弱小派閥であったため、26人の推薦人を福田派からレンタルしてこなければならないって事情があった。この総裁選は中曽根康弘、河本敏夫、安倍晋太郎、中川一郎の4頭立てのレースで、中川一郎としては今後のこともあるので、4位はどうしても避けたかったのだ。なので、必死の形相で全国行脚に向かった。ところが、自分を推薦した筈の福田派所属の2人の代議士の裏切りに遭う。広島で亀井静香が中川一郎の応援演説のセッティングをせずトンズラし、仙台では三塚博が安倍晋太郎にのみ肩入れする。これも4人の候補者が出揃い、混戦になれば良いとのスキームを想定していた福田赳夫からの指示であった。が、人のいい中川一郎にはこの2人の冷たい対応が耐えられなかったようだ。福田赳夫は予備選で票が割れた場合、総理総裁分離論を持ち出して自分は総理大臣に復権しようと画策していたらしい。ただ、結果は、さにあらず。中曽根康弘の圧勝で、そうはならなかった。田中角栄は福田の猿知恵を見抜いていて、パーフェクトに中曽根をサポートしたからだ。自民党総裁予備選で最下位となった中川一郎はその後、落ち込み、酒量が増し、奇行が目立つようになり、札幌のホテルで自殺した。
なんだか、悲劇的な親子の物語であるけれど、政治の世界は魑魅魍魎が跋扈する伏魔殿なんだからしょうがないなぁ。民主党のフレッシュな新人議員にはわかんない世界であるようだ。
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