2009年11月25日水曜日

シェルブールの雨傘。


カトリーヌ・ドヌーブが19歳の時に撮影された作品で、形式はミュージカル。生台詞はなく、全編を通して歌っている、佳作のなかの名作とも言える私の好きな作品の1つである。
ストーリーはこうだ。シェルブールとゆー街の傘屋の娘がカトリーヌ・ドヌーブ。彼女は自動車整備工の男と恋に落ちる。しかし、よくあるパターンで、或る日、彼にアルジェリアへの召集令状が届く。別れの駅で、彼を見送るドヌーブ。戦争が若い2人を引き離す。シチュエーションは雨混じりのステーション。薄いベージュのレインコートの艶姿のドヌーブは、やはりただ者ではない!雪の降るプラットホームで無言で立っているだけの高倉健を凌駕する存在感だ。
で、暫く彼を、シェルブールで待っていたドヌーブではあったが、宝石商に請われて嫁ぐことになる。そのとき既に、彼女は戦地へ行ってしまった元彼の新しい命を宿していた。時は流れ、戦地から帰還した元彼は傘屋に辿り着くが、店は無くなっており、センチになって、売春宿に通うようになり、新しい仕事も辞め、暮らしは荒んでいったが、ほどなく彼は、別の女性と結婚し、すぐに子供が生まれた。
そこに、突然、嫁ぎ先のパリからドヌーブがシェルブールに戻ってくる。実母の葬儀であった。再会した2組の夫婦には、それぞれの子供が…。男の子の方はフランソワ、女の子の方はフランソワーズと名付けられていた。その2つの名前は、2人が最初に出逢ったころ、将来、生まれてくる筈の子供達に付けるために、2人で決めた名前そのものであった。
若かりし頃の恋は、成仏、失礼、成就しないってことだな。チャンチャン。

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