2010年3月28日日曜日

万久・戸塚さんのミローヌと中期国債ファンド。


昔、ロバのパン屋とゆーのが、神戸の下町にあった。あったとゆーより、来ていた。祖母のフサお婆ちゃんに連れられて、神戸の市電が走っている道まで出ると、ある決まった時間に年老いたロバがメリーゴーランド風のデザインの荷車を引いてトボトボと歩いて来た。その荷台にパンが乗っていた。祖母は、その風情を愉しんでいたのだと思う。
祖母は、決まって、黒ゴマの付いた蒸しパンを買っていたよーに思う。
蒸しパンのよーな弾力性。うんうん、そのイメージがミローヌのそれだ。JR市ヶ谷駅から外堀を橋で渡って、右に曲がったところに、ケーキ屋さん兼、喫茶室の「万久」はあった。オーナーは戸塚さんご夫婦。慶應大学OBの品のいいご主人がつくった和菓子とロールケーキのハーフみたいな、もっちりした食感のケーキだったよーに記憶している。カスタードクリームなのか何なのか、程よい甘さと苦いコーヒーが醸しだす絶妙のコラボレーションが心地よかった。戸塚さんご夫婦の人となりが、さらなる相乗効果を加えていたことも間違いない。
昭和58年、証券マン1年生だった私は市ヶ谷とか、旧フジテレビ本社や東京女子医大周辺をテリトリーにして、飛び込み営業をしていた。営業で歩き疲れた時、「万久」に行くと何故だか無料でミローヌとコーヒーが出た。ご夫婦共に株式に精通されており、私が薦める中期国債ファンドには全く興味を示さなかった。
年5.694パーセント。1ヶ月複利で増えるこの商品、今から思えば夢のよーな商品なのに、貯蓄性商品としては当時、他に良いものが多々あったから、千万単位で売れてはいたけど解約も多く、歩留まりはそれほどなかった。ことほどさように、述懐してみれば、当時の金利は5パーセント程度であったことが解る。金利の適正水準は、私の持論でゆーと5パーセントだ。その国の経済がうまく行っているとき、金利は5パーセントをセンターに動いている。これが、今の日本みたくゼロ金利とか、後進国みたく10パーセントを超えるってなると、ハイパーインフレを惹起せざるを得なかったり、訳のわからない状態になったりする。
ハイパーインフレ。これって、蒸しパン1個が100万円する状態のことだ。普通なら1個100円の蒸しパンが1万倍のお金を出さなければ買えないってことを意味する。だから、1万円が1円で、100万円玉ってゆー100円を持って歩くことになる。そうなると、1000兆円の借金を抱えた国は凄く助かる。1000兆円の借金が実質的価値で、たった1000億円の借金で済む計算になるからだ。これ、本当は国が一番望んでる姿じゃないのかなー!最後の最後に、ハイパーインフレってゆー伝家の宝刀を抜いて、ルールの変更をするだけで、全てが解決するって話になる。そーすると、金を借りてない人が不利になる。貯めてるだけの人は大損するのだ。たとえば、銀行に預金しても、株を保有しても、投資信託で運用しても、国債や社債を買っても、生命保険で貯めても、いざ使うとなると出口のところで価値が10000分の1になってる訳だから、合法的詐欺に遭ったよーなことになる。怖い怖い。
そんなルールの変更を国が絶対やらないってゆー保証は過去の歴史を紐解いて考えてもないってゆーか、寧ろ充分にあり得る話だ。だから、借金が多く、不健全な円とゆー通貨を妄信し過ぎると痛い目に遭うのかもしれない。そうなって欲しくはないけど、円の破綻は、あと4年だってゆー説もある。
結局、卵を1つの籠に盛るなとゆー、まことしやかな箴言を噛み締めるしかなさそうだ。

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