2010年2月4日木曜日

夢。

異様に興奮した夢を見た。私が、なぜだかミュージカルの演出をやっている夢だ。早速、50人ほどの俳優たちに、無理難題を突きつけている。私の一言一句に、劇場全体がピリピリピリピリしている。私は不機嫌だ。不機嫌であり続けている。主演女優が演じた完璧な演技に、駄目出しをしている。セクハラパワハラのオンパレードだ。裏方や大道具さんたちが息を潜めて見守る中、数名の女優が泣き出してしまった。私は楽しそうだ。将軍様のようだ。私は舞台に駆け上がる。颯爽としている。一同は息を飲む。数秒の沈黙。静寂というより静謐。私が口を開いた。
「今日は、ありがとう」。照明がレインボーに変わる。澱んだ空気が、和みのそれに変化する。金色、銀色、桃色、吐息。なんだかわからない。私は静かにステージを下りる。誰も私を引き止めない。私が客席の後ろの出口の手前まで歩を進めたそのとき、誰かが言葉を投げつけた。
「帰って来るな!」。
目が覚めた。布団の中心には犬が。私から巻き取った毛布にくるまり、嬉しそうに寝ている。半分以上、布団の外にあった私の身体は、冷たくなっていた。
熱いシャワーの後、背広に着替えカシミアのコートをはおり、駅へ向かう私の足取りは、どう見ても淋しそうであった。かもしれない。

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