今日は愛犬ドンキーの1周忌である。1年前の今日、朝の散歩を終え、丸の内オフィスに出向き、午後3時に松戸の自宅に私は戻った。玄関を開けたとたん、目に入ってきた光景は虫の息で横たわる彼の姿であった。白目をむいていた。
まず、彼が、この状態から回復することは難しいだろうこと、そして同日午後7時20分から文京区本郷でのトランペットレッスンに私は必ず行かねばならないとゆーこと、息子にこの事実を早急に伝えるとゆーこと…。
雨が降っていた。何を考えたのか、私は登山用の雨具を着用し手にはスコップを持っていた。自宅から徒歩1分の江戸川河川敷に行き、無我夢中で大きな穴を掘った。
雨の中、どれくらいの時間が経ったのだろう? 再度、家に戻り、彼に話しかけてみたが、やはりピクリとも動かず既に死後硬直が始まっていた。私は彼の両足を持ち、さかさまにして河川敷の穴のところまで必死で持っていった。重い。雨は降り止むどころか、さらに強まっていた。彼は口から長い舌を出し、笑っているようにも泣いているようにも見えた。私は無表情に近い外見であったものの、心の中は放心状態で、やるせない気分であった。
「さようなら」。そう言って、穴に入れた彼に土を被せ、私はスコップで大量の土を山のように盛っていった。
ちょうど1年前のこの光景を想い出すと、胸が激しく鼓動し、熱くなる。そして感謝の気持ちで一杯になる。1年の歳月を閲して、彼は土に還っただろうか…。今は、そこに植えたソメイヨシノの木の成長に思いを致している。
毎年、この日がくると同じことを私は思うのだろう。合掌。
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