2012年6月26日火曜日

明鏡国語辞典。

それはもう40年振りに国語辞典を買った。買った本屋は神田すずらん通りの「東京堂書店」。ここは今年リニューアルしたばかりだし、学生時代から立ち読みばかりして、お金を落とした記憶が全くないので甚だ申し訳なく、新装開店のはなむけにもなるかと思い、3040円だか50円を払って新品を購入した。
私が、つい最近まで使っていた辞書は岩波書店のもので、中学校入学の際(まだ12歳)、母に買ってもらったものだ。およそ40年間、この辞書は傍らにいて、私を助けてくれた。私にボキャブラリーがあるのかないのか定かではないが、もしあるとすればこの辞書の功績が大きい。正直、お世話になった。ありがとう。
巷間、いろんな国語辞典が存在し、最近は三省堂の新明解国語辞典が主流なんだろうけど、「蓋然性」、「蠱惑的」の2つの言葉を引いた場合、もっともしっくりくる表現を書いている明鏡国語辞典のことを、かねてから私は評価していた。なので、購入に迷いはなかった。
編者の北原保雄は巻頭に、こう書いている。
「既にある多数の辞典にもう一冊を加えるのではなく、今までにないただ一つの辞典を創るということである。大した特徴もない辞典をもう一冊増やしても世の中を混乱させるだけである」と…。私が言うのも何だけど、その意気や良し。これから一生涯、できれば50年くらい本書を使い続けたい。岩本家の子孫の方々は、もれなくこの大修館書店「明鏡国語辞典」を使用し、日本語の研鑽に励んでもらいたい。
私は7月1日から、1ヶ月をかけて三島由紀夫の研究をする予定である。そのときには、この明鏡国語辞典が縦横無尽の働きをしてくれるのではないか。明鏡止水の心境ではなく、アグレッシブな心持ちで今、過剰な期待をしている最中である。

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