2009年10月22日木曜日

ドストエフスキーの「罪と罰」。

最近の受験英語の蚊帳の外となってしまったサマセット・モームだが、それなりの名著を残している。岩本新書、失礼、岩波新書から出ている「世界の十大小説」とゆーのがそれで、上巻と下巻がある。
その10を羅列すると、ヘンリー・フィールディングの「トム・ジョウンズ」、ジェイン・オースティンの「高慢と偏見」、スタンダールの「赤と黒」、バルザックの「ゴリオ爺さん」、チャールズ・ディケンズの「ディビット・コパーフィールド」、フローベールの「ボヴァリー夫人」、ハーマン・メルヴィルの「モウビー・ディック」、エミリー・ブロンテの「嵐が丘」、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」、トルストイの「戦争と平和」。個人的にも全部読んだ事がないので、このセレクションとゆーか試みが正しいのかどうかは分らない。まぁそのー、分ったところで偉くもなんともないんだけど、ロシアの巨匠、ドストエフスキーとトルストイに関してゆーと、それぞれ、「罪と罰」、「アンナ・カレーニナ」が抜けてるんじゃーないのかなと思ってるのよ。前の8人の作家のうち、2人分を削って、この2作はブッ込むべきなんじゃない?
で、今、流行の光文社古典新訳文庫のドストエフスキー「罪と罰」(亀山郁夫・訳)の第1巻を読んでいる。これがまた面白いんだわ!
「罪と罰」の主人公ラスコーリニコフは世の中を逆恨みしていて、金貸しのお婆さんを殺しても良心の呵責に苛まれるどころか、自己正当性に酔っちゃうところがあるんだけど、今、話題の亀山ローソク、失礼、亀山郁夫・訳は本当にスピード感があって、スラスラスラスラ読ませてしまうんだよ。結末はソーニャってゆー知り合いの娘で娼婦でもある女性に諭されて自首したラスコーリニコフがシベリア送りになりながらも、彼女のキリスト教的愛に包まれて幸せな気分を味わう。そんな風なんだけど…。
19歳の時に1度さらっと読んではいたけど、しっかり大人になった49歳の今になって、新訳で読むとインパルス、失礼、インパクトが違うんだなー。やっぱ、名著に触れることって大切なことなんだなって、再確認したよ。
とにもかくにも、ドストエフスキーは政治、宗教、農業、行政、借金、家庭なんかの描写が見事過ぎるぐらいにウマイ。SEXに関しては意図的に書かなかったんだろうなー。わかるわかる。ドストエフスキーがその周辺を書き始めると、変態小説になってしまうだろうから。

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