江崎グリコのポッキーとロッテのトッポについて思うところを述べる。
1970年代にカバヤ食品からも似たような商品が出ていたのだが、ポッキーの歴史は古く、1966年に最初の商品を世に問うてから今や、夜の銀座でもバカラのグラスにクラッシュドアイスとともに供されるほどの市民権を得た。そんな菓子は他に無いのではないか。新興のフラン(明治製菓)が眼中に入らぬほどの露出振りを到る所で見せ、その名を知らない日本人は皆無であろう。ムースポッキー、ポッキーデコレ、いちごポッキー、ジャイアントポッキー(夕張メロン味、日向夏みかん味)など、商品の展開力も著しい。また、CMにおいても、岡田奈々、牧瀬里穂、吉川ひなのなど、その時代の旬のタレントを起用し、ブランド力の強化にも一定の成功を収めている。海外にもミカドとゆー名前で輸出をしており好評を博している。
なので、ポッキーを菓子業界のスーパースターと呼ぶことに異論を挟む余地はない。
しかしだ、奢れるものは久しからず。盛者必衰のことわりをあらわす。
1994年に彗星の如く現れたロッテのトッポが、全国のコンビニ、スーパーマーケットの売場で、その存在感を拡大しつつあり、今や商品棚のスペースをポッキーから地すべり的に奪いつつあるのが現状だ。
実際、ロッテの売れ筋商品三姉妹(パイの実、コアラのマーチ、トッポ)の三女として、日本のお菓子業界において、トッポは着実にファン層を広げ続けている。なぜなのか?
ポッキーはスティックの下部3cm程度のところに、意図的にチョコレートを塗らないという当時としては画期的なコンセプトで商品化された。指を汚さないで食べられるという日本人の潔癖症を逆手に取ったユニークさでシェアを獲得した。
しかし、トッポは表面にチョコレートを塗るという安直な方法を拒否し、空洞のプリッツの中にチョコレートを流し込むという荊の道を選んだのだ。何というチャレンジスピリットだろう!
中が空洞のプリッツの開発は難航を極めたという。その製法は企業秘密らしいが、ある一定の条件を充たした時、それは比較的簡単につくれるという。プリッツの表面部分のどこをつまんでもチョコが手につかず、それなりの噛み応えもあるトッポ。1本でも食べた経験のある人ならば、もう2度とポッキーには戻れないであろう。
願わくば、両者の主導権争いが熾烈化し過ぎ、商品のバリエーションを通り越して、ポッキーにグリコのおまけが付かぬことを祈りたい。
いずれにせよ、ポッキーとトッポの今後の進化には目が離せない。我々、エンドユーザーは、注意深くその動向を見守っていかねばならない。
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