2011年7月8日金曜日

ウルトラダラー。

手嶋龍一の書いた小説「ウルトラダラー」は、まだ読みかけである。1章、5章、4章と読み進んだので、後は2章と3章をクリアして完読となる。
なにぶん、途中なので、ここで講釈をたれても変な感じだが、この人の書いたものから文章力とゆーか、構成力とゆーか、言語概念化能力を感じることは全く無かった。これって、物書きとしては致命的なことなんじゃーないの?
ま、あとでもう少し書き足してみるけど…。(中断)
はーい、たった今、2章と3章を読み終えちゃった。
率直に言うと、この本は2章の「テロルの通貨」と3章の「偽札洗浄器」だけを読めばいいんだってことだ。あとは要らないわ。
で、特に重要な2章から若干の抜粋をしてみたい。これはセリフだけど、知識としてそのまんま使えるんじゃないかと思う。

「マイケル、いまやドル紙幣は、その七割が海外で流通している。つまり、世界中でアメリカだけが、利子を払うことのないドル紙幣という名の米国債を発行していることになる。こんなうまい商売は世界中にたった一つしかない」。

「たしかにその通りだ。でも、その利子を払わない米国債を誰よりも欲している連中がいる。それは香港、コロンビア、シチリアのマフィアたちだ。ドルのキャッシュさえ持っていれば、銀行口座やクレジットカードから足がつくことはない。ドルを持つことは究極のマネー・ロンダリングなんだ。その意味では持ちつ持たれつだな」。

「ウルトラ・ダラーはまずダブリンで見つかった。そしてすぐに香港とホーチミン・シティーでも発見されている。その数が比較的少ないのにはそれなりに理由があるんだ。印刷技術が高いために、従来の紙幣検査器をすんなりと通り抜け、人々の財布にホンモノのお札として収まってしまっているからだ」。

いいね、いいね。それと某国の通貨マフィアの交換レートも参考までに書いてあったぞ。
コロンビア製やシリア製の偽百ドル札には15ドルから20ドルしか支払わないが、北朝鮮製となると交換比率はグーンと跳ね上がるらしい。
「スーパー・ダラー」は100対82、このほどダブリンや東南アジアに出現した「ウルトラ・ダラー」には100対89の値がついた。そして、それが品薄なら100対92で取引されるという。
なるほどなるほど。そーいったアンタッチャブルな仕事を国策として推進できる国家が北朝鮮って訳だ。お薬の件もそうだろう。汚い仕事は元々インチキなんだから、儲かるし、必要悪ってことでそこに群がる利権を使いたい連中が蛆虫のよーに沸いてくるって寸法だ。
なんだか、真面目に働くってことに意義を見出せない少数派が出てくることにも合点がいくなあ。悪貨が良貨を駆逐する現状にはゲンナリとするが、理外の理、これもまた真理だ。世界中に蔓延した米ドルが、偽札も含めて機軸通貨であり続けるのはいつまでだろうか?
なんとも、後味の悪い内容の、後味の悪い終わり方の三文小説であったものの、私を含む一般ピープルに対し、それなりのサプライズを提起したとゆー点で、意味はあったのかなぁ? 以上です。

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