2010年11月17日水曜日

文章読本。


今月の25日は、三島由紀夫の没後40周忌にあたる日だ。彼は四谷で生まれ市ヶ谷で死んだので、極めて東京の、東京的な作家だったんだなーって思う。名作はあまたのよーにあるのだが、今日は彼の著作の中でもある意味異彩を放つ「文章読本」とゆー名のハウツー本について、浅く掘り下げてみたい。
私自身が、巧い文章を書けないから尚のこと、うまくなりたいとゆー欲求が強い。なので、私の書斎の本棚には同種の本が並んでいる。羅列。谷崎潤一郎「文章読本」、板坂元「考える技術・書く技術」、扇谷正造「現代文の書き方」、本多勝一「日本語の作文技術」等々。これらを読んではみたものの、正直、そのスキルは未だに身に付いていない。残念ながら…。
で、三島本には、森鴎外と泉鏡花が巧いって書いてあって、当時、新進気鋭ってゆーか、彗星のごとく文壇にデビューした石原慎太郎の文章に関しては稀代の悪文扱いで、その才能や人となりを全く認めようとしないばかりか、かなりヒステリックにコキ降ろしている。これは推測するに、小柄で病弱であった三島が、石原裕次郎を弟に持ち、自身も180cmの長身であった石原慎太郎に対するフィジカルコンプレックスに起因するものではなかったかと思う。三島の記述は、他の作家、例えばドストエフスキーやバルザックには客観的畏敬の念を捧げる一方で、石原には主観的蔑みを投げつけている。これは、やはり、三島が半分女性だったことの証左かつ裏付けなんだなあ~。正に、女性的嫉妬の発露であろう。
ともあれ、読んでいて、この本は具体的かつ合目的的であり、長い時間の経過に耐えるばかりか、今現在、更なる秀逸さと高尚さを従えて、凡人を高みに連れて行ってくれる内容を維持している。全く色褪せない。なおかつ、凄ーく面白い本なので、まだ、読んでない人は、騙されたと思ってどうぞ買ってみてチョー。中公文庫だよ。

0 件のコメント:

コメントを投稿