1938年7月10日に生まれて、1972年2月19日に死んだリー・モーガンは、死んでなお超人気のジャズトランペッターである。今年、その命日の1週間前の2月11日に、北千住の天空劇場とゆーホールで、彼の代表曲「I rememer Clifford」を私が演奏する。スローなバラードで誰にでも吹けそうでいて、正直、難しい曲だ。当日、班目加奈門下生の一員として、音大生なんかに混じって吹くのだけれど、愉しいよーなヤバイよーな複雑な心境だ。
思えばこの曲を最初に聴かせてくれたのは、今は無き神保町のジャズ喫茶「コンボ」の伊藤さんとゆーマスターだった。私が19歳の時に、このリー・モーガン18歳(録音当時)の演奏を耳にし、「うゎー、凄い音楽があるんだなー、もーっ!かっこ良すぎるぅー」って感動しまくった記憶がある。以来、この曲を聴くこと、31年。人前で吹いたことは1回もない。封印してたってゆーより、実は、はっきりいって、全く吹けなかったのだ。
で、現在の師匠、班目加奈先生から、基本練習の一環としてクラークの半音階のスケール(当たり前か)をスラーでなくタンギングありで吹いてみなさいと言われたときに、全く出来なくて、地団駄踏んで猫踏んじゃった時、えーっ、そんな簡単なことも出来ないのーっ?って顔で、彼女はキャッキャ笑ってたっけ…。悔しかったので早速、家にあった、クラークの教本の最初のページを開いて、1音1音、目で確認しながら吹いてみたら、なるほど、音楽ってこーゆーふーになってたんだーと、ごくごく初歩的な発見をして以来、リー・モーガンのフレージングに、ゆっくりとなら対応できるよーになってきた。
正確性はまだ、全然駄目だけど、雰囲気だけは仄かに匂ってきてるから、一歩前進。今日も、三島由紀夫推薦の、コンスタン作「アドルフ」を熱心に読んだ以外は、家で、殆んどの時間を、トランペットの練習に費やした。犬の散歩は3回行ったけどね。
幼少の頃、私は、神戸国際会館にアート・ブレイキーとジャズメッセンジャーズの講演を母と一緒に聴きに行っていて、そこで確かにリー・モーガンの生音を耳にしている筈だし、彼がニューヨークで愛人にピストルで撃たれた数週間後、導きにより神戸市立垂水中学校吹奏楽部に入ってしまったので、私にとっての彼は、なんだか近いよーな遠いよーな関係の、永遠のアイドルであると言える。一種、宗教に近いかもしれないなぁ。
嘘でもいいから、2人で酒を飲みながら片言の英語で話がしたかったし、レッスンを受けたり、同じステージに立ってみたかった。
それらは叶わぬ夢ではあるのだけれど、今日から約1ヵ月後に、400名キャパのステージに立ち、プロのピアニストに伴奏してもらい「I remember Clifford」を私がソロで吹く。もう、相当、真剣にやろうと思っているので、この間、仕事は二の次になるかもしれない。
当日は、正しいシラブルを用いて、綺麗な音で吹きたいと思っている。ステージ衣装は何を着ようか?
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